• 数と式 • 根号計算 • 場合の数.順列.組合せ • 確率 • 2次関数 • 2次不等式 • 集合・命題・条件・証明 • 正弦定理,余弦定理 《数学Ⅱ・B》 • 指数関数.対数関数 • 微分・積分 ♪♥ この教材は,高校数学の基本問題のうち,不定積分(数学II.多項式)のマイナーチェンジありのカバー版です. ♫♣ 元の教材が通信トラブルなどで読めないときに,こちらを使ってください.なお,学習の記録は付いていません. |
■不定積分(数学II.多項式)
I【n次式の積分の公式】
xndx=+C (n≧0)…(1) F(x)=f(x) ⇔ f(x)dx=F(x)+C |
例1
x3=3x2 ⇔ x2dx=+C 例2 x4=4x3 ⇔ x3dx=+C 例3 ただし書きの部分 x=1 ⇔ 1dx=dx=x+C 1dx を dxと略す。 dxは1dxの略で、0dxの略ではない。 だから、dx=x+Cになる。 |
【解説】 微分の公式を思い出すと、 (x3)’=3x2またはx3=3x2 (x3+1)’=3x2または(x3+1)=3x2 (x3+2)’=3x2または(x3+2)=3x2 のように、x3+C (Cは任意の定数)の形の関数を微分すると、いずれも3x2になる。(定数Cを微分すると0になるから) ○ [用語] このように「微分すると3x2になる」ような元の関数を関数3x2の原始関数または不定積分*といい 3x2dx で表す。 この問題では、 3x2dx=x3+C が成り立つ。 不定積分(または原始関数)を求めることを積分するという。 ○ 一般に F(x)=f(x) のとき f(x)dx=F(x)+C と書く。 全く初めて見る記号で違和感があるときは、 2xdx=x2+C とは(2xを積分するとx2+Cになるとは)、 x2=2x のこと(x2+Cを微分すると2xになる)だと言い換えるとよい。 【公式の証明】 微分の公式
xn=nxn−1
により、
(xn+1)=(n+1)xn
両辺をn+1で割ると
()=xn
したがって
xndx=+C
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○ ある関数を「親分」に例え、その導関数(微分)を「子分」に例えるとき、「親分が決まれば子分は決まる」が「子分を決めても親分は決まらない」。 例えば、微分して3x2になる元の関数はx3だけとは限らず、x3+1 , x3+2 , x3+3 , …のように定数項だけ異なる関数もすべて微分すると3x2になる。 * F(x)の微分がf(x)になるときF(x)をf(x)の原始関数という。微分を指定しても原始関数はただ1通りには決まらず、定数項の分だけ不定になる。そこで、定数項Cの部分を不定にしたままで原始関数の集まりをF(x)+Cと表したものを不定積分という。 ○ 微分することを表す記号: は、分母と分子を含めた全体で1つの記号となっており、一部分だけ約分したりすることはできない。 ○ よく似た約束が積分記号にもあり、積分記号は f(x)dx のように前後をサンドイッチのようにはさんだ形で使い、片方だけではダメ。 読むときは「インテグラル・エフエックス・ディーエックス」などと読む。 ○ の記号はアルファベットのSを縦長に引き延ばしたもの。 ○ f(x)dxにおいてf(x)のことを被積分関数という。(積分される関数という意味) |
II【定数倍、和・差の積分の変形公式】
k f(x)dx=kf(x)dx …(1) {f(x)+g(x)}dx=f(x)dx+g(x)dx …(2) {f(x)−g(x)}dx=f(x)dx−g(x)dx …(3) ※ 積分定数Cはまとめて1つ付けるとよい。 (1)の例 5x2dx=5x2dx=5 · +C= x3+C のように定数k倍(この問題では5倍)は「後から」掛けてよい。 ※ 5x2dx=5( +C’)= x3+5C’だと思う人がいるかもしれないが、C’が実数全体のとき5C’が表すことのできる数は実数全体なので、改めて5C’=CとおけばCだけで書ける。5Cなどと書くとズッコケ答案になるので注意しよう。 ※ 「掛け算は何でも分けられる」訳ではなく、定数倍だけは後から掛けてよいという公式(1)の意味は間違いやすいので注意 例えば x5dx= +Cは正しいが、 x2·x3dx= · +C= +Cは正しくない。 このように「2つの関数の積」を積分するときに、各々の積分を求めて「後で掛けてもダメ」である。「後から掛ける」のが許されるのは「定数倍」(xのないもの)だけである。 だから (x+1)(x+2)dx のように多項式の積になっているものを積分するときも、 (x+1)dx(x+2)dx=( +x)( +2x)+C などとしてはいけない。 多項式の積分は「展開してから」公式(2)を利用して行う (x+1)(x+2)dx=(x2+3x+2)dx = x3+x2+2x+C |
(2)の例
(x2+x)dx=x2dx+xdx= ++C ※ x2dx+xdx=( +C)+(+C)= ++2C だと思う人がいるかもしれないが、それは違う。 2つの不定積分 +Cと+C の任意定数Cが等しいとは限らないので、この式を丁寧に書けば +C1++C2 (C1 , C2は任意定数) になる。ところが、C1 , C2が任意定数のとき、C1+C2が表せる数は任意の実数なので、これらをまとめて単にCと書けばよい。 (3)は(2)と同様に考えるとよい。 ○ (1)(2)(3)を通して、任意定数C(不定積分で登場する任意定数は、積分定数と呼ばれる)の付け方のまとめ: ⇒ 「全体をまとめて1つの積分定数Cを後ろに1つ付けるとよい。」 ○ 被積分関数が積や商で結ばれているとき( )は必要ないが、和・差・負の符号を伴うときは被積分関数を( )で囲む必要がある。 とf(x)とdxは、「積」として結ばれていると考えるとよい。 ●f(x)●dx
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例 I(1) → x4dx= +C xdx= +C dx=x+C II(1) → 3xdx= 3xdx=3 +C= +C 5dx=5dx+C=5x+C |
II(2)(3) → 多項式の積分は「展開してから」公式(2)を利用して行う (x−3)2dx= (x2−6x+9)dx = −3x2+9x+C x(x+2)dx= (x2+2x)dx = +x2+C |
《公式まとめ》
(1) nが正の整数のとき (2) 定数kの積分は ※(1)式にn=0の場合も含めると(2)は(1)の特別な場合になるが,見かけが違うので,別に覚えた方が間違いが少ない. , のとき, (3) (4) (5) |
次の不定積分を求めてください.なお,積分定数はCで表すものとします.
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