• 数と式 • 根号計算 • 場合の数.順列.組合せ • 確率 • 2次関数 • 2次不等式 • 集合・命題・条件・証明 • 正弦定理,余弦定理 《数学Ⅱ・B》 • 指数関数.対数関数 • 微分・積分 |
【関数の極限値】 関数 f(x) において,x が a と異なる値をとりながら限りなく a に近づくとき,f(x) が 一定の値 b に限りなく近づく場合, f(x) = b と書き,x が a に限りなく近づくときの f(x) の極限値は b であるといいます。 x が a よりも大きな値をとりながら a に近づくときと,a よりも小さな値をとりながら a に近づくのを区別するときは, 各々
a+0もa−0もaと同じでないのか?などと小中学生の常識で「計算してしまって」はいけない.
f(x)この+0と−0は「近づき方を表す記号」になっている. f(x) で表わします。左右どちらから近づくかを決めないとき, f(x) で表わします。 特に,x が 0 よりも大きな値をとりながら,0 に近づくときは f(x) 0 よりも小さな値をとりながら,0 に近づくときは f(x) で表わします。 |
【簡単な極限値】 ○ 多項式(整関数)の極限値は,関数値(単に値を代入したもの)と等しくなります。 (2x + 1) = 3 (3x2 + 1) = 4 ○ 次の図は y= のグラフです。 この図から,次のことが分かります。
## よくある間違いの例 ## = 0 = ∞ ⇒ こんな話をしているのではないことに特に注意 = −∞ …(1)×(-5) = −∞ …(2)×3 = 0 …(3)×(-2) = 0 …(4)×6 |
※数学が苦手という生徒の場合,上の右側に示したような間違いがよくあります.数学の専門家でもギリシャ以来1000年以上も「無限」や「極限」の取り扱いには手こずってきたので,無理もない話です.
「無限」や「極限」をうまく扱えるようになったのは,いきなり「無限」や「極限」を考えずに,有限の間に勝負を決めてしまうようになってからとも言えるでしょう. 高校では難しい精密論法に深入りせずに,直感的に理解するようになっていますので,次のように,3個程度の「小さな実験」で行き先を予想するといでしょう. このように,「無限」についての話は「すべて有限の話の中で語られている」と考えるのがコツです. …(1)の場合
…(2)の場合
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…(3)の場合
…(4)の場合
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◇解説◇ ◇不定形の極限◇ 不定形の極限という用語は,高校の数IIの教科書では使われていませんが,授業,問題集,参考書ではよく使われます。不定形の極限について重要なことは、極限が不定なのではなくて、見かけだけが不定だと言うことです。 数IIで登場する不定形の極限は,分母と分子の両方が 0 に近づく場合,すなわち「見かけ上」 になっているものを言います。 (数IIIでは,他にも∞-∞など多くの型が登場しますが,数IIでは, だけです。) 不定形の極限を求めるには,分母,分子が 0 になる原因を「約分によって」取り除いてから,計算します。
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○ 分母→0,分子→0という形の「不定形の極限」では,分母と分子を因数分解して,両方が0になるという原因を,「約分」によって取り除いてから,極限値を求めます。
例 f(a) = = = 2(x + a) = 4a 例 f(a) = = = (4a + 2h) = 4a |